第4話 継続とは何ぞや

お店をずっと続けていくと、仁ちゃんに誓った物の、そこからの

3年間と言うのは、とてつもなく苦しい日々でした。

思い起こせば、あるラーメン屋のチャーハンを食べて涙を流したのも

この頃でした。あまりにもの不味さに・・・悔しくて。

元々が身内営業というか人脈営業的な僕が30を超えてまず最初に

感じたのが、結婚と言う壁!

誰かが結婚すると言うことは本来喜ぶべきこと、しかし、お店にとって

は出歩かなくなる証。必然的に同世代が結婚していく度にお客さんは

減り続けました。そして輪をかける様に、東武一番通りから東武馬車道通り

に変える2年間、関止められるような工事の毎日。

一気にお客さんが飛びました。4割減位かな?

何度“なんで工事で2年間かかるんだよ”と市役所に足を運んだか

分かりません。その度 “道路が綺麗になると市民が喜びますから”

これを何度言われたことでしょう。綺麗になった今も人が増えたり、市民が

喜んでいる声は聞こえてきませんが・・・。それ以上の事を思い出すと・・・・。

ただその時、もめにもめた○○ちゃんとは今では仲良しなのが笑えます。

そんな泥沼時代何度やめる決心をしたか分かりません。

今だから言うけど、北海道の牧場で働くことも真剣に考えた時もありました。

けど、そんなどん底の中、今から3年前一人の救世主が現れました。

中学時代の同級生、福ちゃんが宇都宮に帰ってきたのです。彼は毎日来て

くれました。これは想像を絶する嬉しさなのです。なんてったって客0の日は

無くなる訳ですから。そして何より彼のスケールのでかさが、僕に火を再び

灯してくれました。こいつに追いつきたい、張り合いたい、そんな気持ちから、

色々考えました。小泉首相を真似して“一人構造改革”と名付け、残す所と

切っていく所を整理して、何が足りないかを考え始めました。

すると不思議なもので、またまた中学時代の友人、佐々木君と再会し、訳ありで

感謝され、色々アドバイスしてくれました。人生の波とは、自分の気持ちで

不思議とそういう風に必要な人材が現れてくるのかもしれません。そんな流れ

の中決定的な方向性が見つかりました。

“梅酒の店” 開店7年目にして、勝負の方向性が見つかったのです。

宇都宮どころか、全国的にも梅酒を専門でやっているお店は2件しかな

くて(自分調べ)、福ちゃんにも面白いと言われ、ずに乗った僕は、ディープイン

パクトの追い込む脚の様に一気に飛びました。それからはラジオは来るわ、

本には載るわと、信じられない位に注目されるようになりました。本当奇跡だね。

今ここで流れる音楽があるならば

“あの日あの時あの場所で君に出会わなかったら”になると思う。

そして、継続と言うのは、きっと色々なチャンスが訪れて、そして去っていくと

言う繰り返しなのでしょう。掴むも捨てるも己の意思であり、満足しない限り

それの繰り返しのような気がします。

 

続火曜日 最終話 僕はここにいる